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絆の章ストーリーを更新!「リクウとディステル」「帰還Ⅰ」「帰還Ⅱ」の3話を追加

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絆の章ストーリーを更新!「リクウとディステル」「帰還Ⅰ」「帰還Ⅱ」の3話を追加
 
ストーリーの絆の章の話が更新された。


 
 
絆の章【リクウとディステル】
三冊の魔導書を “完全なる魔導書”に集成するイルムを阻止するため、ティフォンとガディウスは魔法壁を打ち破った。
しかし刃がイルムに届く直前、まばゆいほどの光が放たれ二人の体を吹き飛ばす。
その光の中心では、目覚めたイルムが一冊の本を携え佇んでいた。
 
「完全なる魔導書の完成だ」
 
イルムの隣に姿を現したラジョアとディステル。
彼等の側には、気を失ったロミアと6号が捕らわれていた。
「これで全てが揃った。貴様等が何をしようと無駄だ」
ディステルの言葉と同時に、イルムはロミアと6号を光の球体に閉じ込めると、彼等の魔力を強制的に放出させ始めた。
その量を見てリクウが青ざめる。
「これほどの魔力を放出させ続けたら、あの子達の体がもちません!」
「お前たちの好きにさせるものか……!」
すぐさま銃を構えるニース。彼女に続き、ティフォンとガディウスも再びイルムへと剣を振るう。しかしそんな彼等の前にラジョアが立ち塞がった。
「これでは……っ」
「無駄だと言っただろう。貴様にできることなど、もう何もない」
全員が思うように動けず歯噛みするリクウにも、ディステルが魔術で足止めをする。
魔力を奪うレイゲンの牙をリョウエンの翼が防ぎ、リクウのペンが術を完成させる前にディステルの術がそれを打ち消す。互いが互いの動きを知り尽くした戦いが繰り広げられる中、ディステルは普段とは違う強い口調で叫んだ。
「大人しく山奥に引きこもっていればよかったものを!」
「では何故僕の前に姿を現したのですか! 貴方が出てきてあの人も関わっていると知ったら、僕が黙っていられるはずないとわかっているでしょう!?」
「黙っていられないだと? 今更貴様に何ができるというのだ! 貴様は昔からそうだ、いつも理想論ばかりを口にして、いざというときには役立たずになるだろう!」
「貴方だっていつも周囲の迷惑を考えない危険な方法ばかり実行して、後始末をさせられるのはいつも僕じゃないですか!」
術をぶつけ合いながら言葉の応酬は止まらない。
それは共に旅をした頃から変わらない二人のやりとりだった。
「貴様とてあの時、彼を救えなかった事をずっと後悔していたはずだ! 彼が再びこの地に戻ることを、何故止める!?」
いつもの冷ややかなものとは違う、熱の籠った言葉の数々がディステルの口から吐き出される。それはまるで、友達から置いてけぼりにされていじけた子どものように見える。
それでも、リクウの答えは変わらない。
「……誰かを不幸にするような方法で彼が戻っても、僕は嬉しくありません。だから行動すると決めたんです。今度こそ、間違った道に進もうとする友を止めるために」
その返答にディステルは両手を握りしめる。
「彼の側にも龍喚士の側にもつけない中途半端な貴様に、あの人を止めることなどできるものか!」
激高し冷静さを失ったディステルの感情を受け、レイゲンが無数に分裂し襲い掛かる。
しかしリクウは手にしていたペンを放り投げ、迫りくる龍を真正面から突っ切った。
「なっ……!?」
強引に突き抜け受けた傷も気に留めないまま、リクウは驚愕するディステルの胸倉を掴む。
「貴方の言う通り僕の力では彼を止められないかもしれない。でも“できるできない”じゃない、“するかしないか”なんです。それに……っ」
すぅ、と息を目いっぱい吸い込む。
「僕が止めたい“友”の中には貴方だっているんですよこの石頭!」
一気に吐き出された叫び声と同時に、渾身の頭突きがディステルの額に打ち込まれた。
 
 
絆の章【帰還Ⅰ】
リクウとディステルが対峙する中。
ティフォンとガディウス、そしてニースは、行く手を塞ぐラジョアに対し苦戦を強いられていた。
いくら攻撃しようとも、本体が影……「闇そのもの」であるラジョアには通用しない。
この間にも、イルムはロミアと6号から魔力を奪い続けている。
何とかこの場を凌がなければ。
「……っ!? 危ない!」
焦燥感で視野が狭くなっていたティフォンに、ニースの声が飛ぶ。
顔を上げれば、ラジョアの影刃が己へと迫っていた。
「……っ!」
避けきれないとティフォンが痛みを覚悟した時。
目前に現れた黒鎧の者が、迫る影刃を斬り払った。 その姿に兄弟は目を見開く。
それは己の故郷を滅ぼし戦った黒き魔、ズオーだった。
「何故……」
口から漏れ出た言葉の中には、さまざまな問いが含まれていた。
ここに現れた理由。自分を助けた理由。そのどれにも答えることなく、ズオーは捕らわれの娘を一瞥すると、手にしていた刀身の先をラジョア……そしてイルムに向ける。
「その娘を返せ」
久しく姿を見ていなかったズオーの姿を前に、イルムは目を細める。
“創造”を司る己とは対となる“破壊”を司る存在が、娘一人を取り戻すためこの場にやってきたらしい。
「破壊のみがお前に与えられた存在意義のはず。何故それと反した行動を取る」
「貴様に説く義理はない」
ズオーの返答にイルムは静かに瞼を落とした。
もとよりどんな理由だったとしても、己が理解できるようなものではないだろう。
イルムは両手を掲げ、己の左右に浮かぶ光球を宙へと浮かべる。
その中では、ロミアと6号が苦しみの表情を浮かべていた。
「私は私に与えられた存在意義を果たすのみ」
抑揚なく告げられた言葉と共に、光球の輝きが一層大きくなる。
「ウァ……アァアアアッ!」
「や……イヤです……助け……お父、さま……っ」
悲痛な声が響き、同時にズオーが地を蹴り娘に手を伸ばす。
しかし……父の手が届くことはなかった。
 
 
絆の章【帰還Ⅱ】
ロミアと6号から吸い上げた魔力を魔導書によって収束させ、イルムは次元に大きな穴を穿つ。全ての空間を開くロミアの「鍵」の力によって開かれた穴には、幾重もの封鎖が張り巡らされていた。
そして6号から得た魔力を利用し開けた穴を固定すると、魔導書の力を刃にして目の前の鎖を断ち切る。
バキンッと鈍い音と共に鎖が解かれた瞬間。
異空間の穴から、暗く重い稲妻が迸った。
「この力は……!!」
今まで感じたことのない殺気と重圧にニースが膝をつく。
ラジョアの時とは比べ物にならないほどの力が全員を襲った。
異空間につながる穴から、暗く重く深い絶望と悲憤を混ぜ合わせたような気配がゆっくりと近づいてくるのが分かった。
しかし誰もその場から動かない。動けない。
全員がひざまずくような光景の中、その空間からゆっくりと黒の稲妻と共に一人の男が現れた。
その姿にリクウは大きく目を見開き、決して忘れることのなかった親友の名を口にする。
 
「……レーヴェン」
 
 
しっかり予習するんだズオ(`・ω・´)