聖域へと向かう途中、リクウ達はヴェルドとシルヴィに遭遇した。
ヴェルドはニースに、自身が見たものについて報告する。
「申し訳ありません。愚兄との戦闘中に別の敵の介入があり、龍覚印の奪取に失敗しました」
「あの影からは、得体の知れない気配を感じた。彼も私も、指一本動かすことができなかった」
その場にいたシルヴィも、自分達が対峙した存在の異質さを語った。
リクウは戦闘に介入した者がディステルではないかと問いかけるが、彼の特徴を説明すると二人とも揃って首を横に振る。
「まだ私達も知らない敵がいるということか……」
「隊長、敵の動向について何か進展があったのですか」
困惑の表情を見せるヴェルドに、ニース達は知り得た情報を一通り説明する。
「私達はこれから聖域へと向かう。ヴェルド、君はどうする?」
「……龍覚印奪取の任務を継続します。あの愚兄をもう一度投獄するのは僕の役目ですから」
「わかった。そちらは君に任せよう」
ニースの了承を得て、ヴェルドは再び兄を追い天城へと向かう。
そんな彼とは別に、シルヴィはリクウ達へ同行を申し出た。
「貴方達について行けば、イルムの背後にいる存在について知ることができるかもしれない。私は風龍王の龍契士として彼女を護ると決めたの。継界から龍を滅ぼすなんて、絶対にさせない」
「わかりました。では、共に参りましょう」
「ふぅん。君が行くのなら僕もご一緒させてもらおうかなぁ」
シルヴィの同行を歓迎したリクウ達の後ろで軽薄な声が響く。
今までずっとシルヴィの後を追いかけていた、アーミルだった。
【関連モンスター】
しっかり予習するんだズオ(`・ω・´)