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龍の章ストーリーを更新!「記憶の欠片」「待ち人」の2話を追加

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龍の章ストーリーを更新!「記憶の欠片」「待ち人」の2話を追加
 
ストーリーの龍の章の話が更新された。


 
 
【幕間】記憶の欠片
温かな陽だまり、一面の花畑、楽しそうな幼龍達のはしゃぎ声が耳に届いて、重い瞼をゆっくりと開く。
「あら、目が覚めた?」
「……お母さん」
大好きな母の顔が瞳に映り、ねむけ眼をごしごしと擦る。
「まだ寝ていても良かったのよ。今日はとても気持ちの良い日だもの」
「……あまり長く外で眠っては、風邪をひく」
「ふふ、ヴァンドは過保護ね。大丈夫よ、今マイネがブランケットを取りに行ってくれているから」
彼女は寄り添っていた大きな龍に微笑みながら、膝の上にいる息子の髪をなでる。
『ちび、起きた?』
『遊ぼ、遊ぼ!』
目が覚めたことに気付いた幼龍がはしゃぎながら近寄ってくる。
その後ろから、ふわふわの布を抱きしめ駆け寄ってくるマイネの姿が見えた。
「……しあわせね」
優しく我が子を抱きしめながら、ふと呟く。
龍は何も言わず、けれど同意するように彼女へと顔を寄せた。
「こんな日がずっと続けばいいわね……ねぇ、アルトゥラ」
愛しさの籠った母が自分に呼びかける声をまどろみの中で聞きながら、アルトゥラと言う名の少年は、またゆっくりと瞳を閉じ夢の中に入っていった。
 
 
「……」
6号は虚ろな目をゆっくりと開いた。
夢を見ていた気がする。温かな庭での、優しい時間。
あの女の人は誰だっただろう。アルトゥラ、とは誰の名前だっただろう。
知らない人、知らない名前。知らない思い出。なのにどうして、こんなにも心が揺れるのだろう。何もわからないまま、撫でられた頭にそっと手を伸ばしていた。
「……目覚めたか」
夢で聞いたものとは違う、冷ややかな声が落とされる。
ぼやけた視界で周囲を見渡せば、側にはディステルとラジョア、そして自分と同じように眠りについている少女がいた。
「6号……と言ったか。鍵の力で異空間に空けた穴を固定するためには、神殺しの龍と契約した貴様の力が必要だ。今暴れられては困る」
ディステルの言葉にあわせて、ラジョアは6号に近付き手をかざした。
何かの術をかけられているのか、再び意識が遠のいていく。
しかしこのまどろみに、先ほどの夢のような温かさはなかった。
「……オ、母、サン」
瞼が落ちる直前、6号はあの夢の中での言葉を呟く。
もう一度、あの夢が見たい。あの人に会いたい。
そんなことを思いながら。
 
 
【幕間】待ち人
天城の真下。荒廃した地に腰を下ろしながら、スオウは瞼を開き城の中で起こっている事柄をその瞳に映していた。
ロシェとの決着をつけたプラリネとヴァレリア達。
負傷したキリや気を失ったままのリィを守りながらクーリア、ターディスと戦闘を続けるリューネ達。
そして“龍の書”を完成させたイルムに相対するティフォン、ガディウス達。
それぞれの状況を見つめながら、スオウは小さく肩を落とす。
(やっぱこの未来を進むことになるのかねぇ)
己が手を出そうと出すまいと、どうやら避けたかった未来は変えられないらしい。
ならば今から最良にすることは難しくとも、少しでも最悪から脱するようにするしかない。
(どこまでやれるかね……)
力を使い、少し疲れた目を押えながら考えていたスオウに、アルファとオメガが問いかけた。
「おいスオウ。しばらくここにいるけど、これからどうするつもりなんだ?」
「な、何かお考えがあるのです……?」
城で戦うティフォンやリューネ達を手助けすることも見放すこともなく、この場から離れないのは何故なのか。首を傾げる二人に、スオウは子どもの笑みを浮かべて答えた。
「ああ、ちと待ってる奴がいてな。そろそろ来るはずなんだがなぁー」
きょろきょろと辺りを見渡すスオウに合わせて、二人も視線を周囲へと向ける。
しかし人はおろか獣や精霊、植物すら見当たらない。
「こんなところに誰がくるんだよ」
「白衣の天使」
「はぁ?」
とうとう酒の飲みすぎでおかしくなったかと額を押さえるアルファ。その頭上から、ひゅるる……と風を切る音が聞こえてきた。
だんだん近づいてくるその音に気付き、視線を空へ向けた瞬間。
空の上から得体のしれない何かがドゴオッと降り落ちてきた。
「ひ、ひやぁぁあああ!?」
「ててててて天使が落っこちてきたのか!?」
仰天しながら落ちてきた人物を見る。それはスオウの言ったような白衣の天使……ではなく、全身スーツに身を包み大きな龍を連れた人物だった。
表情は見えず、顔部分には気の抜けた落書きのようなニッコリマークが描かれている。
「ようやく来たかー、待ってたぜー」
「やー遅くなってすみませんッス。お久しぶりッスねセンパイ、また飲みすぎて体壊したりしてないッスかー?」
異様な風貌に似合わない軽声が響く。
どうやらこの人物を待っていたらしいが、一体何者なのか。
展開についていけず『何なんだコイツは』と視線で訴えるアルファに、スオウは笑って答えを返した。
「こいつは、最悪の未来をマシにするための保険だよ」
 
 
しっかり予習するんだズオ(`・ω・´)