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絆の章ストーリーを更新!「帰還Ⅲ」「手助けⅠ」「手助けⅡ」の3話を追加

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絆の章ストーリーを更新!「帰還Ⅲ」「手助けⅠ」「手助けⅡ」の3話を追加
 
ストーリーの絆の章の話が更新された。


 
 
絆の章【帰還Ⅲ】
かつてのリクウの友。龍と人との共存を望んだ者。
世界を変えようとした結果、龍王と龍喚士によってその身を封じられた者。
龍によって友を、理想を、世界を、愛しい者を失った者。
イルムとズオーを生み出し、ラジョアを使ってキリたちを動かしていた、全ての事の発端。
そして、ティフォンとガディウスにとって、父と呼べる存在。
リクウが口にした、初めて聞く父の名。けれどティフォンは声をかけることも剣を向けることもなく、その姿を見つめるだけしかできなかった。
 
「ようやくだ……ようやく帰ってこられた。あの日からずっとこの時を待ちわびていた。見えるかリクウ、私達が憧憬と敬愛を抱いた彼の姿が、今再びここにある」
「……っ」
求めていた人物の帰還にディステルが歓喜の声を上げる。対照的に、リクウは黙ったまま彼から視線を外さない。そんな二人に声をかけることもなく、レーヴェンはゆっくりと周囲を見ている。
その一挙一動に全員が目を離せない中、彼がまず目を止めたのは双頭の龍を伴う二人の青年だった。
「……ドルヴァ、セディン」
『久しいな、我らがかつての契約者』
『今はもう、我らが契約した頃の貴様とは異なる存在なのだろうがな』
名を呼ばれ、セディンとドルヴァがそれぞれ口を開く。
かつての契約者という言葉に詳細を知らないガディウスは目を見開いたが、セディンは構うことなく話を続ける。
『貴様の魂の在り様は、見ない間に随分と様変わりしたようだ』
『今一度問おう。かつて我らが願いの強さを認めた者よ。貴様の願いは何だ』
双頭の龍達の問いに、レーヴェンは迷いなく答えを出す。
 
「世界を壊し、再び創造する」
 
すべては龍なき世界のために。
 
 
絆の章【手助けⅠ】
大広間で戦闘を繰り広げていたクーリア達と直属部隊、そしてリューネ達は、天城の最奥から膨大な魔力の放出を感じ取った。
「あらあら……どうやら貴方たちの努力は水の泡になってしまったようですわね」
クーリアがくすくすと笑みを浮かべ、魔導書の創造と彼の者の帰還が叶ったのだと告げる。
「……ティフォン達は間に合わなかったのね」
「んもう、隊長ったら何やってんのよ!」
クーリアたちの攻撃の手は休まらないどころか、さらに増援として幾多もの魔物が自分たちを追い詰める。
じれったさを感じ、シャゼルが他の仲間に悲鳴を飛ばした。
「ちょっとラシオスちゃん達、こっち手伝ってちょうだいな!」
「無理を言うな、こちらとて手一杯だ!」
ラシオスは声をあげながら迫りくる敵を大剣で薙ぎ払っている。気を失ったリィをかばいながら戦っているため、防戦一方になっていた。ターディスの相手をしているヴェルドも返事をする余裕すらないようだ。ラジョアの一撃を受けたキリの容態はどんどん悪くなっている様子で、エンラの治療を中断させるわけにもいかず、この二人を守りながら応戦している自分やシルヴィもそろそろ限界が近い。
(どうする、どうすれば……)
その瞬間、一発の弾丸が、目の前の敵を撃ち抜いた。
リューネは愕然としながらも、その弾丸が発砲された方へと目を向ける。けれどそれらしい人物はどこにもいない。代わりに見つけたのは……。
「おう、また会ったな!」
ユキアカネに乗ったスオウの姿だった。
「どうしてここに……」
「ハイハイ説明は後にしてくださいッス。それより患者はどこッスかー?」
戸惑うリューネの前に、今度は全身スーツ姿の人物がぬぅっと顔を出す。
「な、何者なの」
「何って、医者ッスよ。傷だらけなんで貴方も後で診るッスけど、今は先にり重傷そうな……」
「ハイレン、多分あれだろ」
「うーん? ……ああ、そっスねあの人ッスねー。ありがとうございますセンパーイ」
ハイレンと呼ばれた人物は、連れていた龍と共にエンラが治療しているキリの側へとずんずん近づいていく。
「お疲れ様ッス。こっからは自分が変わるッス。じゃあサクサク治療始める……と言いたいところッスけど、ちょっとココ不衛生っすよセンパイ。ばい菌は排除してもらわないと悪影響が出るッス―」
ハイレンが言う“ばい菌”とは、襲い掛かってくる大量の敵の事だろうか。
その訴えに、スオウは大丈夫だと空を指さしてみせた。
 
 
絆の章【手助けⅡ】
天城の壁を抜けて撃ち込まれる弾丸の雨が、多くの敵を射抜いていく。
しかしどこから狙っているのか、周囲を見渡すだけではわからない。
「これは少々厄介ですわね……」
動きを制限され、クーリアが面倒そうに顔をしかめる。
一体誰が。リューネが問いかける前に、スオウは口の端を上げて狙撃者の正体を告げた。
「ここに来る前、ちっとばかし寄り道してな。ヴァレリアの所からひとり借りてきたんだ」
天城の壊れた窓からのぞく雲のさらに先。ほとんど見えない場所で敵を狙撃していたのは、ヴァレリアの弟子のひとりであるミラだった。直属部隊の隊長である姉と同じく銃を扱い、得意分野は遠距離からの狙撃である。
魔眼の力を解放し、片目に集中することで照準を定めた超長距離狙撃は、誰の反撃も受けずに敵を仕留めることを可能にしている。
上空からの彼女の援護は、その場の状況を大きく変えた。
それを見たハイレンは、きらりとメスを光らせ頷いてみせる。
「では、ばい菌の排除は皆様にお任せするッス! こちらはお任せくださいッス。ちゃーんと治してみせますので。早速始めるッスよーリヴァート!」
【オッケーリョウカイ】
主の言葉にあわせてリヴァートが電光画面に返答を映し出し、形態を変化させる。
仕事にとりかかるハイレンの様子を見届けた後、スオウはリューネへと向き直った。
「さて、これでお前らも戦いの方に専念できるだろ」
にっこりと子どもの笑みを浮かべる彼に、リューネはこくりと頷く。
目の前の敵を一掃してティフォン達と合流する。
そのことだけを考えて、彼女は手にしていた槍を構え直した。
 
 
守りに徹する必要のなくなったリューネ達が本来の力で戦い始める中、アルファとオメガは不思議そうな顔で尋ねた。
「なぁスオウ、お前この一件にはあんまり手を出したくなかったんじゃなかったのか?」
自分が手を出すとろくなことにならないと言っていたスオウが、今回はずいぶんと手助けに励んでいる。
「何かお考えがあるのですか……?」
首を傾げる二人に、スオウは珍しく困ったような顔をして二人の頭をひと撫でした。
「変えられねぇとしても、できることはしとかねぇとな」
未来の可能性を見通し、この先に待ち受ける展開を知る彼の瞳は、わずかな恐怖に揺れていた。
 
 
しっかり予習するんだズオ(`・ω・´)