絆の章ストーリーを更新!閑話「トリック&トリート!」を追加


絆の章ストーリーを更新!閑話「トリック&トリート!」を追加
 
ストーリーの絆の章の話が更新された。

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閑話【トリック&トリート!】
「いいかお前ら。イタズラか菓子か……なんて相手に選ばせるような甘っちょろさは捨てちまえ。せっかくの祭りなんだ、めいっぱい楽しまねぇと損だぜ」
「は、はい! スオウ様!」
「いい返事だオメガ。それじゃあさっそく教えたセリフ言ってみるか。せーのっトリック&トリートォォ痛ぇ!」
「勝手にセリフ改変してんじゃねぇよ馬鹿スオウ!」
べしんっ!
小気味良い音とともに、可愛らしい肉球がスオウの頭をひっぱたいた。
軽い刺激に顔を上げれば、そこには狼耳つきのフードをかぶったアルファが眉間にしわを刻んでいた。……格好がいつもより数倍子どもらしいので怖さは半減している。
「オメガに何くだらねぇこと教えてやがんだこのダメ大人!」
「えー、だってせっかくのイベントだぜ? 年に一回の盛大な祭りを楽しむためには、イタズラも全力でやりきって、なおかつ菓子もたらふくゲットだろ!」
「わ、私もがんばりますっ!」
「やめろオメガ、がんばらなくていい!」
「よぅし、じゃあまずはヴァレリアんとこの弟子にでも仕掛けにいくぞー。特にあの紫頭の奴が良い反応しそうで楽しみだぜ」
「人の話を聞けー!」
アルファの叫びを綺麗に無視して、スオウは何に使うつもりなのかわからないカボチャの山で訪問する相手を選んでいく。堂々とイタズラができるからか、今日の彼はいつもよりハイテンションになっていた。
これはもう止められない。
名前の挙がった数名に心の中で謝るアルファの裾を、ちょいちょいと小さな手が引っ張った。
「あの……アルファはお祭り、参加したくない?」
魔女の衣装に身を包んだオメガが心配そうな眼差しを向けてくる。
その手には魔女の杖と、イタズラに使うカボチャの籠。
どうやら彼女もこのお祭りを楽しみにしているらしい。アルファの良心がぐっと痛む。
「わ、私、アルファと一緒にお祭り楽しみたい……」
一生懸命自分の気持ちを伝えようと頑張っているオメガに、アルファは少しだけ沈黙した後……。
「あーもう、わかった! やるからには、とことんやってやるからな!」
吹っ切れたような言葉とともに、オメガが持っていた籠を自分も手に持った。
「行くぞオメガ! どうせならスオウの奴には思いつけねぇようなイタズラを考えて、アイツを驚かせてやろうぜ!」
「う、うん!」
年相応の笑顔を見せながら、お菓子とイタズラに溢れたお祭りへ向かっていく。
二人が考えた“イタズラ”がどんなものだったのかは、この言葉を告げられた人だけが知っている。
「トリック&トリートだぜ!」
「と、とっておきのお菓子とイタズラ、楽しんでくださいねっ!」
 
 
しっかり予習するんだズオ(`・ω・´)